【目的】
 放射線測定については国として1kmのメッシュ、民間でも500mのメッシュでしか実施しておらず、住民の生活実態に根ざしていないことに危機感を感じ、ゼンリン住宅地図を基にした75m×100mのメッシュによる放射線測定を開始しました。
 多額な税金を投与した除染作業をしてもなお放射線汚染が改善されない現状を現場視点による科学的なデータの集積で警鐘を鳴らすとともに、被災者の再度の被ばくを防ぎ、被災者のより充実した生活環境の獲得に寄与することを目指します。


【活動範囲】
 「ふくいち」周辺。これまでは南相馬市、飯舘村、伊達市、富岡町、楢葉町などでモニタリングを実施。

【測定機器】

 ■日立アロカメディカル社製の空間線量測定器(TCS172B)による地上1mの空間線量率(μSv/h)測定

 日立アロカメディカル社製の表面汚染測定器(TGS146B)による地表1cmの表面汚染計数(cpm)測定
 ■上記測定時に無線を利用した簡易型放射線測定器(ギョロガイガー)による位置情報と時刻情報を加味した地上1mの空間線量の可視化
 ■
その他の機器としてpolimaster、楢の木RADEXなど個人所有のものを補助的に使う場合もある

【測定方法(南相馬市の場合)】
 ◆事前に決めておかなければならないこと
  測定場所──どの地域をどういった順路で測定するのか? 予め地図を見て学習しておく必要があります。
  チーム編成─使用できる機器の数、参加人員の数でチーム編成を考えます。1チーム3〜5人で編成します。
  ●まず、測定地域を決めたらゼンリン住宅地図(左図)を用意します。縦横10分割に区切ります。3000分の1の地図であれば1マスが75m×100mになります。
●横軸にA〜J、縦軸に1〜10の番号を付け、一つ一つのマスに番号が付くようにします(左の地図は6000分の1の地図なので縦横20分割にしてあります)。
●チームごとの地域分担、番号の割り振りなどを打ち合わせておきます。
●終了時間、集合場所等も決めておくのは言うまでもありません。

◆現地で測定開始

  ●チームは最低ナビ、記録、タイムキーパー、写真、TGS、TCSの6つの担当で構成されます。人員が足りないときは一人でいくつかの担当を担います。
●ナビは道案内。地図と照合しながら計測ポイントをスタッフに指示します。
●記録は地図のポイント、TGS、TCSで計測されたデータを記録します。
●TGS、TCSは10秒ごとに計測するので、タイムキーパーはストップウォッチを見ながら声をかけます。
●写真はギョロガイガーと連動したスマホで計測中の写真を撮ります。写真には時刻、緯度、経度、空間線量率が表示されます。

●TGSは地表1cmの表面汚染計数率(cpm)を10秒ごとに5回測ります。
●TCSは地表1mの空間線量率(μSv/h)を10秒ごとに3回測ります。

写真は原町区大谷地区でのものです。

◆測定後の作業

 ●手書きのデータはExcelに打ち込みます。
   ●計測時に携帯していたギョロガイガーのデータも可視化します。

 これらのデータは後日、住民集会などで地区住民にデータを渡すと同時にその地区で行われたモニタリングの説明、質疑応答などを行います。
◆参考動画1
 南相馬市原町区馬場の旧フラワーパーク及び馬事公苑周辺のモニタリング中の風景をスマートフォンで撮影したもの。強風下で撮影したので風の音が煩いが、普段通りに行われたモニタリングの様子です。撮影しながらの解説もついています。13本ありますが、ほぼ同じ内容です。忙しい方は1〜3まで見ていただけるといいかなと思います。
 動画1動画2動画3動画4動画5動画6動画7動画8動画9動画10動画11動画12動画13

◆参考動画2
 YouTubeにアップされている原子力災害現地対策本部による放射線計測
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